ショーシャンクの空に

 ショーシャンクの空に、という映画の名前を何度か聞いたことがあったし、脱獄の話だというのもぼんやりと知っていたのだけれど、生まれてから20年間、実際に見たことはなかった。

 

よく行くバーにこの作品が置いてあったのがきっかけで、じゃあ見てみようかな、という気が起こった。ちょうど免許合宿中で暇だったし、軽い気持ちで見始めた。

 

ストーリーも面白く、どんどん観進められた。ラストシーンになって大号泣。久しぶりに、「悲しい」とか「悔しい」とかではなく、「感動」して涙が出た。あまりにも良かったので、爆速でブログを立ち上げ、今こうやって文章を書いている。

 

見終わってからいろんな人のレビューを見た。どうやら「希望を捨てないことの大切さ」を表している映画だと捉えている人が少なからずいるようだった。

私はこの映画を観て「希望を捨てないことの大切さ」を説いているとは微塵も思わなかったので驚いた。むしろ「希望がどれだけ脆いか」そして「人間の内面がどれだけ尊いか」を知らしめる映画だと感じ取った。

 

仮釈放された図書館のお爺さんが首を吊って死ぬシーン、高卒試験に受かったヤツが射殺されてあえなく死ぬシーン、所長に裏切られたデュフレーンが懲罰房に二ヶ月もぶち込まれるシーンなど、どれも各人が多少なりとは抱いていたであろう「希望」を打ち砕くものである。しかし、デュフレーンはその頭の良さと粘り強さで「希望」という悪魔の一歩先を行ったのだ。

希望は、抱くだけでは叶わない。それどころか、希望が叶わなかった時の落胆はものすごい。アウシュビッツの囚人たちが「クリスマスには解放されるらしい」という噂に希望を見出して過ごした結果、クリスマスを過ぎても解放されなかった彼らの落胆はものすごいもので、みんな希望を失って亡くなっていった、という有名な話もある。

 

しかし、漫然とした希望を抱くのではなく、自分の行動に基づいた希望を抱くなら、それは強固なものになるということを、この映画は私に教えてくれた。

 

粘り強く手紙を送り続けると、本のために予算が割かれた。毎日壁を掘り続けたことが脱獄につながった。勉強の結果、高卒試験に合格した。 

このどれもが、粘り強い努力に裏付けられた「希望」が叶ったシーンである。

 

「あれが起きるかも」「ああなるといいな」ただこう願うだけでは、それが叶わなかった時の失望はすごいものだ。しかし、「OOをした」という事実があれば、希望が叶う確率も高くなるし、叶わなかったとしても何か得られるものはある。それを携えて次の希望を見つけて進めばいい。

 

デュフレーンは、「行動」することを忘れ、結果「希望」を抱くことさえできなくなった囚人たちにとって特異に映っただろう。しかも、彼一人の影響で、レッドをはじめ周りの囚人たちも「希望」を抱き始めるようになった。

 

この結果がラストシーンであった。アンディを探し求めるレッドのワクワクした気持ち。希望を失った人間ならアンディを探すのを諦めるかもしれないし、石の下だって探しに行かなかっただろう。ただ希望を抱いているだけじゃ人生は楽しくない。仮釈放中に国を脱出する、なんてことをなしとげてはじめて、本当の「希望」を感じれるようになるんだというようなメッセージを感じ取れた。

 

人間の内面は他人に干渉されない。面従腹背で生きたって構わないんだよなあ

最後に、

アンディって頭が良すぎるなあ。。。